アヴァロンの銃

[題名]:アヴァロンの銃 [作者]:ロジャー・ゼラズニイ ※このレビューには前巻までのネタバレがあります。ご注意ください。  並行世界を扱ったサイエンス・ファンタジー、〈真世界シリーズ〉第二巻です。  前巻『アンバーの九王子』にて、兄エリックに破れながらも幽閉からの逃走を果たしたコーウィンですが、本巻では反撃のターンになります。  しかしながら、前巻でコーウィンが成したもう…

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アンバーの九王子

[題名]:アンバーの九王子 [作者]:ロジャー・ゼラズニイ  無数に存在する並行世界の中心、真世界アンバー。そのアンバーの王位継承者たる王子達の諍いを描く、ゼラズニイ氏の代表作〈真世界シリーズ〉の第一巻です。(『八』ではないのでご注意ください(^^;))  ゼラズニイ氏は神話をモチーフとした物語をいくつか手がけられていますが、本シリーズもその一つです。ベースとなっているのはケルト神…

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ミラー衛星衝突

[題名]:ミラー衛星衝突 [作者]:ロイス・マクマスター・ビジョルド ※このレビューには『メモリー』のネタバレがあります。ご注意ください。  軍事惑星国家バラヤーに障碍を持って生まれたマイルズ・ヴォルコシガン及びその周辺を描く、〈ヴォルコシガン・サガ〉のエピソードです。作中時期はマイルズが三十歳の頃、前作『メモリー』のすぐ後になります。  機密保安庁から除隊し、デンダリィ自由…

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地球の壁の裏に

[題名]:地球の壁の裏に [作者]:フィリップ・ホセ・ファーマー ※このレビューには前巻までのネタバレがあります。ご注意ください。  〈階層宇宙シリーズ〉の第四巻です。  本巻は第三巻『階層宇宙の危機』に引き続き、キカハが主人公です。但し、今回の舞台となるのは階層世界や別のポケット宇宙ではなく、我々の住む地球ですね。  ブラック・ベラー抹殺とウルフ達の救出のため、階層世界か…

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階層宇宙の危機

[題名]:階層宇宙の危機 [作者]:フィリップ・ホセ・ファーマー ※このレビューには前巻までのネタバレがあります。ご注意ください。  〈階層宇宙シリーズ〉の第三巻です。  さて、本巻ではいよいよもう一人の主人公、階層世界のトリックスター("trickster":神話などに登場する、狂言回し的な役割のキャラクタ)ことキカハが活躍することになります。  作中時間的には、前巻『異…

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異世界の門

[題名]:異世界の門 [作者]:フィリップ・ホセ・ファーマー ※このレビューには前巻までのネタバレがあります。ご注意ください。  〈階層宇宙シリーズ〉の第二巻です。  さて、シリーズ名に「階層宇宙」が入ってはいるものの、本巻で階層世界が登場するのは冒頭ぐらいのものです(しかも屋内(^^;))。今回の冒険の舞台は、ウルフとその兄弟らを罠にかけるべく準備された別の並行世界。果たし…

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階層宇宙の創造者

[題名]:階層宇宙の創造者 [作者]:フィリップ・ホセ・ファーマー  SF界に性や宗教を持ち込んだ先駆者であり、魅力的な作品世界構築でも知られるフィリップ・ホセ・ファーマー氏による、ヒロイック・ファンタジー風味の強い平行世界SF〈階層宇宙シリーズ〉("World of Tiers series")の第一巻です。〈リバーワールド〉と並んで、ファーマー氏の代表作と言えるシリーズですね。 …

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ハインライン傑作集4 時の門

[題名]:ハインライン傑作集4 時の門 [作者]:ロバート・A・ハインライン  ハインライン氏の初期短編を収録した傑作集、第四弾です。  本書に収められた作品は、ややビターな味わいのある結末のものが多い印象ですね。ハインライン氏の長編では独立独歩の主人公である傾向が強いのですが、中短編ではそうした枠に囚われない分、お話もバリエーションに富んでいるように感じます。自己の確立した強い人…

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ハインライン傑作集3 魔法株式会社

[題名]:ハインライン傑作集3 魔法株式会社 [作者]:ロバート・A・ハインライン  ハインライン氏の初期中編を収録した傑作集、第三弾です。  本書は「集」と付きながらも、収録作品は二編だけです(^^;) しかしながら、この二作はどちらも、ハインライン氏の諸作中においてもかなり重要なウェイトを占める作品だったりします。  表題作の『魔法株式会社』はSFのサブジャンルであるサイエン…

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ハインライン傑作集2 輪廻の蛇

[題名]:ハインライン傑作集2 輪廻の蛇 [作者]:ロバート・A・ハインライン  ハインライン氏の初期中短編を収録した傑作集の第二弾です。  本書に含まれる作品は、ややホラー/ファンタジー的なテイストが強めですね。『ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業』/『象を売る男』/『わが美しき町』の三作は二十世紀アメリカを舞台とした現代ファンタジー風味で、中でも長編クラスの長さの『ジョナサン~…

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ハインライン傑作集1 失われた遺産

[題名]:ハインライン傑作集1 失われた遺産 [作者]:ロバート・A・ハインライン  SFビッグスリーの一角、ミスターSFことハインライン氏の初期作品を集めた中短編集です。  ハインライン氏の初期作品では、同一世界を共有する一連の〈未来史〉シリーズが高い評価を受けていますが、これに属さないお話もなかなかの力作揃いですね。本書に収録されている四編のうち、三編が特別な力を有したグループ…

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光のロボット

[題名]:光のロボット [作者]:バリントン・J・ベイリー ※このレビューには前巻『ロボットの魂』のネタバレがあります。ご注意ください。  自意識の存在を巡る、高性能ロボット・ジャスペロダスの苦悩を描いた『ロボットの魂』の続編です。  前作では、結局のところジャスペロダスは世界で唯一の特別なロボットということで決着が付きました(ちょっと逃げのような気も(^^;))。しかしなが…

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ロボットの魂

[題名]:ロボットの魂 [作者]:バリントン・J・ベイリー  本書は奇才バリントン・J・ベイリー氏による、高度な認識力を持ったロボットの苦悩の旅を描いたお話です。  ベイリー氏と言えば、ネタを詰め込んで宇宙規模の危機に仕立て上げたワイドスクリーン・バロックで有名(?)ですが、本書はあくまで題名の『ロボットの魂("The Soul of the Robot")』に沿った直球勝負のお話…

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明日にとどく

[題名]:明日にとどく [作者]:アーサー・C・クラーク  SFビッグスリーの一角であり、ハードSFの第一人者でもあるアーサー・C・クラーク氏が比較的初期に書かれた作品を集めた短編集です。  中でも注目作品は、最初期の短編『太陽系最後の日』ですね(氏のデビュー作『抜け穴』の翌月に掲載された第二作ですが、売れたのはこちらが先)。また、全体的な傾向として、ややシニカルな味わいのお話が多…

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マッカンドルー航宙記 太陽レンズの彼方へ

[題名]:マッカンドルー航宙記 太陽レンズの彼方へ [作者]:チャールズ・シェフィールド  ハードSF連作〈マッカンドルー航宙記シリーズ〉、第二弾です。  本書に収録されているのは中編四つで、前巻の五編と合わせて七エピソードで全てのようです。前巻の相殺航法ほど派手なものはありませんが、科学考証のなされたガジェットが毎回読者を楽しませてくれます。  永きに渡って書かれたシリーズもの…

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マッカンドルー航宙記

[題名]:マッカンドルー航宙記 [作者]:チャールズ・シェフィールド  本書は天才物理学者マッカンドルーとその周辺の出来事を描いた、連作ハードSF中編集です。  本シリーズの特徴は、SFガジェットの科学考証に非常にこだわっているところですね。シェフィールド氏の作品はSFガジェットが多数登場する、いわゆるガジェット・ストーリーが多いのですけど、本書もまたそうした傾向が見られます。作中…

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停滞空間

[題名]:停滞空間 [作者]:アイザック・アシモフ  SFビッグスリーの一角、"the writing machine"との異名を持つほど多作なアイザック・アシモフ氏による短編集です。原題は"Nine Tomorrows"で、その題名通り九つの作品が収録されています。  アシモフ氏の短編集では多くの場合、作者ご自身による(私のレビューよりも(^^;))面白い解説が添えられているので…

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天界の殺戮

[題名]:天界の殺戮 [作者]:グレッグ・ベア ※このレビューには前作『天空の劫火』のネタバレがあります。ご注意ください。  本作『天界の殺戮』は、異星の殺戮機械により地球が破壊される様を描いた『天空の劫火』の続編です。  前作は様々な人間視点から多面的に描いたディザスター・ノベルであり、スケールこそ大きいものの舞台は二十世紀末の地球上と、リアリティを感じさせる物語でした。 …

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天空の劫火

[題名]:天空の劫火 [作者]:グレッグ・ベア  本作『天空の劫火』は、圧倒的な力によって無慈悲に地球が破滅させられる様を描いたスペクタクルSFです。  人類に滅びをもたらすのは、異星の自己増殖機械です。抗う術などない巨大な力による死へのカウントダウンに人々は戸惑い、怯え、あるいは怒りを見せますが、そうした反応を一顧だにせずその工程は進行していきます。クライマックスは非常に壮大かつ…

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バーサーカー 星のオルフェ

[題名]:バーサーカー 星のオルフェ [作者]:フレッド・セイバーヘーゲン  〈バーサーカー・シリーズ〉第三弾です。  本巻では再び連作短編集の形態が取られています。『赤方偏移の仮面』では各話において登場人物の幾人かが共通しているものがあり、エピソード間の繋がりも若干ありましたが、『星のオルフェ』では人類対〈バーサーカー〉の構図以外ほぼ短編同士の関連性はありません。その分、バリエー…

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