サイボーグ

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 サイボーグとは、体の一部を人工物へと置き換えた生き物のことです。時々誤解されていることがありますが、ロボット(アンドロイド)のように完全な人工物ではありません。あくまでベースは生物です。
 サイボーグは"Cybernetic Organism"(直訳すると『人工頭脳学的な生物』?)を略した言葉で、アメリカの医学者マンフレッド・クラインズ氏等が提唱したものです。クラインズ氏がネズミの体にメタボライザと呼ばれる代謝促進用の機械を埋めこみ、これをサイボーグと呼んだのが始まりのようですね。つまり、最初のサイボーグは人間ではなかったわけです。

 SF作品において体を機械等に置き換える理由は様々で、病気や怪我によって正常に機能しなくなった部位を補うものから、宇宙空間のような特殊環境に適応するため、はたまたそっちの方が格好いいから(^^;)などというものまであります。
 特にしばしば見られるのが、戦闘行為のために体を強化することを目的とするものです。人間の肉体は脆弱なものですから、人工的に防御力や攻撃力を高められれば戦いが有利になるということなのでしょう。倫理的な問題はともかくとして、昔から科学の発展は戦争と強く結びついていますから、あながち空想上のものとも言い切れない部分があります。

 現実に目を向けてみると、現時点でも体の一部を人工物に置き換えるということは既に始まっています。(入れ歯や眼鏡のようなものは、ここでは除きます(笑))
 最も分かりやすいのは義肢(義足や義手)ですね。近年では筋電位を読み取る等の方法により、装着者の意図通りに動かせるインテリジェントなものが出てきています。触感をフィードバックする試みも始まっているようです。
 失われた目の代わりとなる人工眼の研究も進んでいます。カメラから入力された画像データを人工網膜に送り、視神経を刺激して視覚を発生させるというものです。既に低解像度での試験には成功しているようですので、今後の期待大ですね。
 人工内耳は既に実用化されています。音をマイクロホン経由で電気信号に変え、聴覚神経を電極で刺激するというものです。完全に回復するというわけにはいきませんが、リハビリによってかなりの会話が聞き取り可能になるとのことです。
 体内に目を向けると、様々な人工臓器が開発されています。例えば腎不全の方が行う人工透析は、体の外に置かれた人工腎臓を使って血液を濾過します。いずれは埋め込み型の人工腎臓も期待されるところです。
 人工心臓も近年発達してきました。こちらは生身の心臓を補う補助人工心臓と、代替するための完全人工心臓があります。補助人工心臓は埋め込みタイプが既に存在するようですね。

 再びSFに戻りますが、物語に登場するサイボーグは必ずしも生身と同じ格好をしているとは限りません。複数の腕を持っていれば便利かもしれませんし、背中に羽が生えて空を飛べたら楽しそうです。背中側に目があると、後ろから不意打ちされることがなくなるかも(笑)
 もっとも、人間の脳が増えた部位の制御を行えるかどうかは不明です。尻尾の動かし方なんて想像もできませんよね?(^^;)
 こうした問題のために、SFでのサイボーグは補助脳と呼ばれる人工臓器(?)を増設していることがあります。ようは生身の脳に直結したコンピュータですね。自分の体の制御を一部そちらに預けるわけです。また、必要な情報をデータベースから高速に検索できたりする作品もあります。

 このように際限なくサイボーグ化を進めていくとしたら、やはりネックになるのは脳の存在です。どれだけ他の部位を強化したとしても、脳が衝撃に弱いことに変わりはありません(タッパの豆腐状態(^^;))。当然、老化もしていきますし。
 それならばいっそのこと、人間の意識をそのまま機械の中に移してしまいましょう。これなら脆弱な生体部分を全て切り捨てることができ、万事解決ですね。ここまで進めた場合にはもはやサイボーグとは言わず、機械人と呼んだりするようです。
 さて、果たしてこの機械人は元の人間と同一人物と言えるでのしょうか? 少々悩ましいところではあります(^^;)

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