ホワイトホール

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 SFでは、なんでも吸い込んでしまうブラックホールの反対、いかなるものも中へ進入できないホワイトホールなるものが時々出てきます。ブラックホールの中に落ち込むと、別の場所にあるホワイトホールから出てくる等、一方通行のワームホールとして扱われることが多いようです。これは一体、どんなものでしょうか?
 実は、ホワイトホールとはブラックホールの時間軸を反転したものなのです。言わば、逆回しで再生しているブラックホール、ですね(^^;)

 我々の知る物理法則には、時間対称性というものがあります。
 例えば、ニュートン力学を例に取ってみましょう。ボールを坂の上に置くと、万有引力によって下へ転がっていきます。ここで、坂を転げ落ちるボールという現象を逆回しで見てみると、ボールが坂を上っていくように見えますよね。では、ボールは逆回しの結果、万有引力の反対の力(万有斥力?)で上に引っ張られたのでしょうか?
 実はそうではありません。坂の下にあるボールはスピードを持っているからです。ボールはその転がる勢いで坂を上っていき、万有引力で下に引っ張られるために次第に遅くなっていくのです。つまり、時間を逆回ししても相変わらずボールの動きはニュートン力学で計算可能なわけですね。(ここでは摩擦等は考えないこととします。ややこしくなるので(^^;))
 時間の向きに関らず、多くの物理現象はそのまま成立するのです。

 ブラックホールの存在を予言した相対性理論も、ニュートン力学と同じように時間対称性を持っています。つまり、ブラックホールが存在するのなら、その逆のホワイトホールが理論的に存在してもおかしくないわけです。
 ホワイトホールはブラックホールの時間を逆転させたものですから、中から物質が飛び出してくることはあっても決して中へ入ることはできません。また、しばしば勘違いされますが、ホワイトホールは斥力を持っているわけではないようです。引力は時計を逆回ししても引力ですので。

 ただし、現時点ではホワイトホールが宇宙に存在する証拠は見つかっていません。今のところ単なる机上の空論でしかないのです。もっとも、ブラックホールだって当初はそう思われていたのですから、絶対にないとも言い切れないでしょう。
 もしかしたら、いくつかのSFで扱われているようにブラックホールは別宇宙のホワイトホールに繋がっているかもしれません。だとしたら、近場のブラックホールに飛び込んでみればホワイトホールを見ることができる、かも?
 ……駄目だったときにも責任は取れませんけど(笑)

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