ブラックホール

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 ブラックホールとは、重力が強過ぎるために脱出速度が光速を超えてしまった物体のことです。我々の世界では光速度以上に速く移動することはできませんから、ブラックホールに捕まったが最後いかなる物体も外へ出てくることは不可能ということになります。
 天文学者カール・シュバルツシルト氏が相対性理論から導き出したこの物体、当初はあくまで理論上のものだと考えられていたようですね(アインシュタイン氏本人が実在を否定しています)。ところが後に、巨大な恒星が超新星爆発を起こした際に生成される可能性が示唆されることになりました。
 ブラックホール自体は(光さえ吸い込まれてしまうので)見えないものの、物体が吸い込まれていくときに強いX線が放射されるのです。宇宙にあるX線源を調べる過程で、おそらくブラックホールに違いないと思われるものがいくつか見つかっています。
 さらに、多くの銀河の中心核には太陽の数百万倍以上の超巨大ブラックホールがあることも分かってきました。我々の銀河も例外ではなく、射手座A*という太陽質量の二百六十万倍もの巨大ブラックホールを持っています。

 あらゆるものを吸い込んでどんどん巨大化していくと思われていたブラックホールですが、物理学者ホーキング氏がブラックホールの蒸発という現象を予測しました。
 量子力学的なスケールでは、なにもないところに粒子・反粒子の対生成と対消滅が常に起こっています。対生成で生まれた粒子はすぐに対消滅で消えてしまうため、マクロな視点ではその事象が気付かれることはありません。
 ところが、ブラックホールの近辺では話が違います。対生成された粒子・反粒子のうち、どちらか片方だけがブラックホールに吸い込まれてしまうことが起こり得ると言うのです。このとき、落ちなかった粒子(または反粒子)は落ちていく方のエネルギーを持ち去ってしまうため、ブラックホールはその分だけエネルギーを失います。この現象は、ブラックホールから粒子(または反粒子)が飛び出してくるように見えるというわけです。
 この予測が正しければ、ブラックホールは最終的には蒸発して消えてしまうようです。

 物体がブラックホールに落下していくときの力を利用して、ブラックホールを動力源とするアイディアがあります。SF作品で登場する縮退炉などがそうですね。
 例えば、落下させた物体が完全にブラックホールに落ち込んでしまう前にそれを分裂させ、その半分を外に飛び出すように工夫します(もう片方はそのまま落下)。すると、飛び出してくるものは落としたときよりも高いエネルギーを持っているというわけです。
 落とす物体はなんでも良いので、ゴミ捨て場兼動力炉として使えるようです。ただし、相手はブラックホールですから、うっかり大事なものを捨ててしまっても二度と取り戻せません。ご注意あれ(^^;)

この記事へのコメント

  • ココット

    ブラックホールは素敵ですよね。
    Bホールを動力源とした武器なんて、もう辛抱たまりません<何ヲイッテイルカ

    いや久々にSF魂と天文学への憧れを揺さぶられるキーワードでした。
    思わず読後にGoogle検索など駆使して、更なる知識欲を思う存分満たしたい
    という強い衝動が。

    いやもう寝なければ……orz
    2005年08月10日 01:56
  • Manuke

    ブラックホールを使った兵器というと、『イデオン』のMBH砲(イデオンガン)を思い出しますね。
    機体内部でブラックホール作ってるんでしょうか? 恐ろしい(^^;)

    あと、重力がらみで『大鉄人17』の必殺技グラビトンというのがありました。原理の説明はなかったようですが、あんなに強力で指向性の強い重力子を放射していたところを見ると、やはりブラックホール兵器だったのかも……。
    2005年08月11日 00:53

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