最後の惑星ラニアン

[題名]:最後の惑星ラニアン
[作者]:E・C・タブ


 〈デュマレスト・サーガ〉第三十一巻です。
 日本語に翻訳されている〈デュマレスト・サーガ〉では最終巻に当たりますが、本家英語版はこの後に二冊存在します。内容的にも「最後の惑星」ではないのですが、そこはそういうものということで(^^;)
 ある経緯を経て、デュマレストは聖地教徒の崇めるセレヴォックス寺院へ潜入することになりました。彼はそこで、ついに求めるものを見出します。

 極寒の惑星エアカルトで、かつての恋人クレア・ハシーンと再会したデュマレスト。ところが、それに嫉妬したハンターのカール・インダートは、クレアを殺害し、その罪をデュマレストになすりつけてしまいます。
 アリバイがなく、誰の助けも得られないデュマレストに、弁護士はある提案をします。エアカルトでは犯罪者を獲物とした人間狩りゲームが行われており、それに参加して生き延びれば、自由が与えられるのです――ただし、失敗すれば死あるのみです。
 やむなくデュマレストはゲームに参加し、インダートを倒して勝利を得ました。その彼に、死を予知することができる女カーレンが接近し、富豪のローチ・イシカリの下へ連れて行きます。
 イシカリは地球の存在を信じ、かつ地球という惑星がなぜ隠されたのかを知りたがっており、その秘密が聖地教徒の信仰の中心であるセレヴォックス寺院に隠されていると考えていました。そして、潜入調査のためデュマレストを必要としていたのです。
 かくして、狂信者の集うセレヴォックス寺院へ、数名の仲間と共に潜り込んだデュマレスト。彼がそこで見たものは……。

 メインの舞台となるセレヴォックス寺院("The Temple of Cerevox")ですが、デュマレストはこれを「母なる地球の声」と推測しています。前半の"Cere"は地球の古い呼び名「エールス("Erce")」のアナグラム、後半の"vox"はラテン語の「声」を意味する単語、というわけです。
 セレヴォックス寺院はかなり閉鎖的で、外部の人間を容易に受け入れません。デュマレスト達は信者に成りすまして潜入するわけですが、仲間の軽はずみな行動のためにあっさりばれてしまいます。イシカリは人選を誤ったように感じますね(^^;)
 また、サイクラン側からはサイバー・クラージが、デュマレストを追ってセレヴォックス寺院に到来します。完全封鎖・サマチャジの相・ホモコン素子による中央知性体との交信と、お約束の手順も踏んでくれる典型的なサイバーです。ただ、当人も自覚していますが、少々ことを急ぎすぎるきらいがあるようで、サイバーとしては経験不足なのかもしないですね。

 本書にて、デュマレストはついに本当の手がかり、地球の座標を手に入れます。しかし、その旅はまだ終わりではありません。続巻"The Return"、そして最終巻"Child of Earth"がこの後に控えています。
 ファンとしては日本語翻訳版を望むところなのですが、〈デュマレスト・サーガ〉は三十巻オーバーのシリーズものですから、その末尾二巻の翻訳というのは少々厳しいかもしれません(^^;)

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