悪夢の惑星ホーガン

[題名]:悪夢の惑星ホーガン
[作者]:E・C・タブ


 〈デュマレスト・サーガ〉第十五巻です。
 失われた地球への帰路を見出すために宇宙を放浪する、我らがデュマレスト。多くの場合それは徒労に終わりますが、時として手がかりを得ることもあります。
 窃盗の片棒を担がされた上に、疫病で九死に一生を得たデュマレストは、惑星エミジャールで予想していなかったものに出くわします。しかし、またもやそこにはサイクランの魔手が迫ろうとしていました。

 資金を得るため、デュマレストは惑星ホーガンで傭兵として戦争に参加しました。けれども、彼の属した軍は敗北してしまいます。
 処刑される運命にある彼に手を差し伸べたのは、レディ・デフィーヌとロフォーテン少佐でした。彼らはホーガンの財宝を盗んで他の惑星へ高飛びしようとしており、デュマレストの高い能力に目をつけて仲間に引き込んだのです。
 しかし、窃盗の計画は、予期せぬ疫病の発生とロフォーテンの裏切りにより失敗します。デュマレストはロフォーテンの隙を突いて主導権を取り戻すと、彼を宇宙船ヴァーデン号から放逐した後、惑星ホーガンから脱出を図りました。ところが、ヴァーデン号の中には既に疫病が蔓延しており、乗員や乗客が次々と倒れていきます。デュマレスト自身も例外ではなく、病のせいで意識を失ってしまいました。
 デュマレストが息を吹き返すと、そこは船の目的地でした。運よく疫病に免疫のあったデフィーヌの機転のおかげで、デュマレストとデフィーヌだけが生き残ったのです。
 命の恩人であるデフィーヌに付き添い、デュマレストは彼女の故郷である惑星エミジャールを訪れます。そこは古の慣習に縛られた、肉体的な力を持つ者が敬意を受け、力の劣った者は蔑まれる社会でした。デュマレストは体が弱い故に虐げられる少年ナヴァロックと出会い、彼が太古の遺物に造詣が深いことを知ります。そして……

 今回はデュマレストの乗る宇宙船に疫病が発生するという、バイオハザードものの展開が物語前半にあります。もっとも、今回も『悪夢の惑星ホーガン』の題名はあまり適切ではありません(^^;) ホーガンが舞台なのは冒頭だけですし、実際に疫病チェルハが「悪夢」になるのはヴァーデン号の中での話です。
 中盤以降は惑星エミジャール上で話が進むことになります。紛争解決の手段が決闘だったり、猛獣オルセプトを仕留めた者でなければ家長として認められないなど、かなり古めかしい社会のようです。
 どうもデュマレスト君は父性愛を刺激される相手に弱いようで、ナヴァロック少年にもかなり肩入れしている感があります。サイクランがそこに気づけば、割とあっさりデュマレストを捕えることができそうな気もしますね(笑)

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